2013年3月10日日曜日

工房の隣に村の薬師堂がある。それからは人家のない森が続いていて、
犬の散歩コースになっている。
途中、林に囲まれた池があったりして、細い道をたどると
村で一番標高の高い愛宕山の祠に至る。
山と言ってもちょっとした丘で、見晴らしがいいわけでもないそのてっぺんに、自然石の土台の上に小さな祠がある。
春になると金蘭が咲いていたり、思わぬ所でササユリを見つけたり、湿った沢にサンショウウオの仲間が住んでいたり、何よりもちょっと湿った森の中の空気がザワッとした不安感を伴って、包みこんで来る。典型的な人が入らなくなった里山なのだ。

薬師堂と愛宕さん、言わば村の守り神なのだが、この山に順番に欅を植えて、
百年後には欅の森にして、その木で椅子を作る。ここで取れる木だけを使い、それ以上の量は作らない。 百年プロジェクトを今年から始めます。
まず二十本。 欅の苗は育っている。

鉋仕上げは木を大切に扱う事を教えてくれた。祈りを持って木を植えようと思う。

1 件のコメント:

  1. ご無沙汰しております。男の夢も希望も心も託せて叶う素晴らしいプロジェクトですね。羨ましく感じました。季節の変わり目にて体調など崩されませんようにと思い そして東京での展示が大盛況になる事と信じております。

    松浦

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